会長挨拶

第23回日本アロマセラピー学会学術総会 大会長 工藤千秋(兼任 実行委員長)

(医療法人社団くどうちあき脳神経外科クリニック理事長・院長)

コロナ禍において第23回日本アロマセラピー学会学術総会を開催できることは、ひとえに皆様のご協力とご尽力のおかげと、心より感謝申し上げます。新型コロナウイルス感染症の影響により、当初の開催計画から完全WEB開催への変更に伴い、会員の皆さんをはじめ関係各位には大変なご迷惑とご負担をおかけいたしました。
 
大会テーマは“病める人にアロマを~医療現場へのアロマセラピーの導入と実践~”を掲げました。
 
資格を取られたセラピストが、胸を張って医療現場で有意義なアロマセラピーを実施できる環境創りと、そのアロマセラピーの臨床的意義を考え直してみようと思います。
法改正によりIRB審査等の倫理面がより厳しくなった臨床研究面でも、会員がより安心して臨床研究を行える方向性を示したいと考えます。
 
本年夏、学会は「会員が学会を創り、学会が会員を守る」ことを宣言しました(2020東京宣言)。
アロマセラピーが患者さんに活気をもたらす可能性と、医療資格を持つセラピスト自身の技術・意志の高揚のために、学び多き学術総会となることを目指したく存じます。ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

副会長挨拶

新たな時代にむけてアロマセラピーの在り方を探る

第23回日本アロマセラピー学会学術総会 副大会長 相原由花

(ホリスティックケアプロフェッショナルスクール学院長)

新型ウイルスの蔓延で、これほど日本が、あるいは世界が変化を強いられるとは、オリンピック開催に沸く2020年の幕開けには思いもせず、大きな変化にただただ驚くばかりです。しかし自粛やマスク着用など生活に制限がかかる一方で、私たちは“人間は自然の中で生きている生物なのだ”ということをあらためて思い知らされる機会でもありました。自然界に生きているのは私たち人間だけでなく、植物も動物も多くの菌やウイルスも存在し、それぞれなんとか調和を取りながら生活しています。私たちは、これまでCovid-19だけでなく、ペストやコレラ、インフルエンザなど数多くの菌やウイルスと戦い、そのたびに強い生命力を得てきました。アロマセラピーの歴史を振り返ると、薬剤の開発が十分ではない時代に、精油のさまざまな抗菌、抗ウイルス作用によって人々は命を救われていたことが記録に残っており、私たちは、偉大な自然の中で植物の力に守られながら生かされてきたのかも知れません。
第23回日本アロマセラピー学会総会は「病める人にアロマを ~医療現場へのアロマセラピーの導入と実践~」をテーマとして開催されます。本学会を通して、感染という大きな波を乗り越えた次の時代で、アロマセラピーはどのように医療現場で生かされていくのか、行政、そして多くの専門家から重要な示唆を頂けることと思います。ぜひ多くの皆様にご参加いただき、広く知識や情報を得て、今後の臨床に役立てていただきたいと思います。感染予防の観点から、完全Web開催のため画面の中にはなりますが、皆様と次世代に向けた希望ある討論ができることを楽しみにしております。